ロキソニン錠60mg(ロキソプロフェンナトリウム)は、NSAIDsである。

適応

  1.  消炎・鎮痛
    • ‌関節リウマチ
    • 変形性関節症
    • 腰痛症
    • 肩関節周囲炎
    • 頸肩腕症候群
    • 歯痛
  2. 鎮痛・消炎
    • ‌手術後
    • 外傷後
    • 抜歯後
  3. 解熱・鎮痛
    • 急性上気道炎(急性気管支炎 を伴う急性上気道炎を含む)

用法・用量

上記適応の1、2のとき

通常、成人にロキソプロ フェンナトリウム(無水物と して)1 回60mg、1日3回経口投与する。

頓用の場合は、 1 回60〜120mgを経口投与する。

※年齢、症状により適宜増減
※空腹時の投与は避けることが望ましい

上記適応の3のとき

‌通常、成人にロキソプロ フェンナトリウム(無水物 として)1回60mgを頓用する。

※年齢、症状により適宜増減
※原則として 1 日 2 回までとし、1 日最大180mgを限度とする
※空腹時の投与は避けることが望ましい

特徴

  • プロドラッグ
    ロキソプロフェンはプロドラッグであるため、胃粘膜では活性体にならず、COX-1阻害作用を示さない。そのため、胃の副作用が軽減されている。

作用機序

作用機序
COX(シクロオキシゲナーゼ)阻害

  1. COX阻害
  2. プロスタグランジン産生↓
  3. 抗炎症、解熱、鎮痛

副作用

  1. 消化器症状(胃部不快 感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等2.25%)
  2. 浮腫・むくみ (0.59%)
  3. 発疹・蕁麻疹等(0.21%)
  4. 眠 気(0.10%)

重大な副作用(頻度不明)

  1. ショック、アナフィラキシー様症状
    • ショック、アナ フィラキシー様症状(血圧低下、蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸 困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、 適切な処置を行うこと。
  2. 無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少
    • 無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察 を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
    • 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎
    • 急性腎 不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれるこ とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 また、急性腎不全に伴い高カリウム血症があらわれる ことがあるので、特に注意すること。
  5. うっ血性心不全
    • うっ血性心不全があらわれることが あるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合 には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 
  6. 間質性肺炎
    • 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、 好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあ るので、このような症状があらわれた場合には直ちに 投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な 処置を行うこと。
  7. 消化管出血
    • 重篤な消化性潰瘍又は小腸、大腸からの 吐血、下血、血便等の消化管出血が出現し、それに伴う ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に 行い、これらの症状が認められた場合には直ちに投与 を中止し、適切な処置を行うこと。
  8. 消化管穿孔
    • 消化管穿孔があらわれることがあるので、 心窩部痛、腹痛等の症状が認められた場合には直ちに 投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  9. 小腸・大腸の狭窄・閉塞
    • 小腸・大腸の潰瘍に伴い、 狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に 行い、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた 場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  10. 肝機能障害、黄疸
    • 肝機能障害(黄疸、AST(GOT)上昇、 ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇等)、劇症肝炎があらわ れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認め られた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。
  11. 喘息発作
    • 喘息発作等の急性呼吸障害があらわれるこ とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を 行うこと。
  12. 無菌性髄膜炎
    • 無菌性髄膜炎(発熱、頭痛、悪心・嘔吐、 項部硬直、意識混濁等)があらわれることがあるので、 観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに 投与を中止し、適切な処置を行うこと。(特にSLE又は MCTDの患者に発現しやすい。)
  13. 横紋筋融解症
    • 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、 筋 肉痛、脱力感、CKCPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

禁忌

  1. 消化性潰瘍
    • プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化すること がある
  2. 重篤な血液の異常
    • 血小板機能障害を起こし、 悪化するおそれがある
  3. 重篤な肝障害
    • 副作用として肝障害が報告 されており、悪化するおそれがある
  4. 重篤な腎障害
    • 急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある
  5. 重篤な心機能不全
    • 腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加が起こり、 心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれ がある
  6. 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
  7. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
    • アスピリン喘息発作を誘発することがある
  8. 妊娠末期の婦人