横紋筋融解症とは、名のとおり横紋筋が融解・壊死する病気(症状)である。分かりやすく言うと、「筋肉が溶けてしまう病気」である。

横紋筋細胞が融解すると、その細胞内の成分(ミオグロビンなど)が血中に流出する。漏れ出た大量のミオグロビンが腎臓で詰まることで、腎不全になるおそれがある。重篤な場合、死に至ることもある。

※横紋筋:主に骨格筋(普通の体を動かす筋肉)

横紋筋融解症は、薬の副作用で起きることがある。
関連:横紋筋融解症を起こす薬

症状

横紋筋融解症の症状としては、次が挙げられる。

  • 赤褐色の尿
  • 手足、肩、腰、その他の筋肉の痛み
  • 手足のしびれ
  • 手足に力が入らない
  • こわばる
  • 倦怠感(全身がだるい)

症状の特徴としては、赤褐色の尿がある。筋肉の細胞から漏れ出たミオグロビンが尿に出て、尿が真っ赤に染まる。

薬の服用後の、こんな症状は危ない!

横紋筋融解症は、特定の薬の副作用で起きることがある。

その薬の投与初期に、

  • 尿の色が赤い
  • 筋肉が痛い
  • 倦怠感(だるい)
  • しびれがある

このような症状は出やすいため、すぐに薬をやめて対応する必要がある。

検査値の変化

横紋筋融解症では、筋細胞が溶けて、細胞内の成分(ミオグロビンなど)が大量に血中に流れ出ている。そのため血液検査では、次の検査値の変化が見られる。

  • ミオグロビン値↑
  • CPK値↑(目安:基準値の10倍)

ミオグロビン値の上昇

横紋筋融解症では、筋細胞からミオグロビンが漏れ出し、血中に大量のミオグロビンが存在する。そのため、ミオグロビン値が著しく上昇する。

ミオグロビン値の基準値
  • 男性: 57~197 IU/L (UV)
  • 女性: 32~180 IU/L (UV)

ミオグロビン値の基準値は200もないくらいだが、横紋筋融解症になった場合、何千という値を示す

CPK値の上昇

CPKは骨格筋などに多く存在し、横紋筋融解症では筋細胞から血中に漏れ出る。そのため、CPK値上昇する。

CPKの基準値
  • 血清: 60 ng/mL 以下
  • 尿: 10 ng/mL 以下

CPK値の基準値は、血清中、尿中によって異なる。

横紋筋融解症のCPK値の目安:基準値の10倍程度

薬で横紋筋融解症になったら?

関連:横紋筋融解症を起こす薬

もし副作用で横紋筋融解症になった場合、

  • すぐに原因薬物の使用をやめる
  • 脱水の状態と重症度を判定する
     → 症状に対して適切な治療を行う

これらを行う。

横紋筋融解症で重要なのは、腎不全につながるということである。そのため、早期発見が大切である。