ニコチン
ニコチンは少量ではニコチン受容体を刺激し、大量ではニコチン受容体を遮断する。
- 少量投与:ニコチン受容体刺激
- 大量投与:ニコチン受容体遮断
ニコチンはタバコのアルカロイドである。
目次 (項目へとびます)
作用機序:ニコチン受容体刺激/遮断
ニコチンは、投与する量によって示す薬理作用が異なる。
- 少量投与:ニコチン受容体刺激
- 大量投与:ニコチン受容体遮断
少量投与、大量投与の初期:ニコチン受容体刺激
少量投与もしくは大量投与の初期では、ニコチンはニコチン受容体を刺激する。
自律神経節刺激
少量のとき、ニコチンは自律神経節のシナプス後膜を脱分極し、ニコチン受容体を刺激する。
優位な自律神経節を強く刺激することで心拍数減少や血圧上昇などを引き起こす。
- 自律神経節のシナプス後膜を脱分極させる
- ニコチン受容体を刺激する
- 心拍数↓、血圧↑ など
神経筋接合部刺激
少量のとき、ニコチンは神経筋接合部を刺激し、骨格筋の収縮を引き起こす。
中枢興奮
少量のとき、ニコチンは中枢興奮を引き起こし、呼吸興奮、振戦、嘔吐を引き起こす。
大量投与の後期:ニコチン受容体遮断
大量投与の後期では、ニコチンは持続的に脱分極させることでニコチン受容体を麻痺させる。
自律神経節遮断
大量のとき、ニコチンは自律神経節のシナプス後膜を持続的に脱分極し、ニコチン受容体を遮断する。
優位な自律神経節を強く遮断することで心拍数増加や血圧下降などを引き起こす。
- 自律神経節のシナプス後膜を持続的に脱分極させる
- ニコチン受容体を遮断する
- 心拍数↑、血圧↓ など
神経筋接合部遮断
大量のとき、ニコチンは神経筋接合部を遮断し、骨格筋の弛緩を引き起こす。
中枢抑制
大量のとき、ニコチンは中枢抑制を引き起こし、呼吸麻痺、振戦の後痙れんを引き起こす。
まとめ
- 少量投与、大量投与の初期:ニコチン受容体の刺激
- 自律神経節刺激
→ 心拍数↓、血圧↑ など - 神経筋接合部刺激
→ 骨格筋収縮 - 中枢興奮
→ 呼吸興奮、振戦、嘔吐
- 自律神経節刺激
- 大量投与の後期:ニコチン受容体の遮断
- 自律神経節遮断
→ 心拍数↑、血圧↓ など - 神経筋接合部遮断
→ 骨格筋弛緩 - 中枢抑制
→ 呼吸麻痺、振戦の後痙れん
- 自律神経節遮断
適応:禁煙補助
ニコチンは、貼付剤として禁煙の補助に用いられる。
基礎疾患(循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患など)をもち、禁煙が必要な人に対して、医師の指導で用いられる。
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