バレニクリンはニコチン受容体部分作動薬であり、禁煙補助の目的で用いられる。

 

作用機序:ニコチンα4β2受容体部分作動+競合的拮抗

バレニクリンは、ニコチンα4β2受容体の部分作動薬として作用し、さらに競合的拮抗薬としても作用する。

  • バレニクリンの作用機序
    • ニコチンα4β2受容体の部分作動
    • 競合的拮抗

バレニクリンは脳内ドパミン作動性神経にあるニコチンα4β2受容体に結合し、部分作動薬として作用する。

バレニクリンが受容体を刺激すると、少量のドパミンが遊離される。

そのため、禁煙時の離脱症状や「タバコを吸いたい」というのを軽減することができる。

また、タバコを吸っているとき(ニコチンを取っているとき)は、競合的拮抗薬としても作用し、ドパミンの遊離を抑制する。

そのため、タバコを吸っても快感や満足感が得られなくなる。

このような作用があるため、バレニクリンは禁煙の補助に用いられる。

適応

  • ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助

 

警告

バレニクリンとの因果関係は明らかではないが、以下のことが報告されているため、投与する際には気をつける必要がある。

  • 抑うつ気分
  • 不安
  • 焦燥
  • 興奮
  • 行動又は思考の変化
  • 精神障害
  • 気分変動
  • 攻撃的行動
  • 敵意
  • 自殺念慮及び自殺

 

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