自律神経節に作用する薬は、交感神経節と副交感神経節のニコチン性アセチルコリンNN受容体に作用する薬のことである。

自律神経とは?自律神経節とは?

そもそも、神経系における自律神経の位置づけは以下のようになる。

  • 神経系
    • 中枢神経(脳・脊髄)
    • 末梢神経
      • 自律神経系
        • 交感神経
        • 副交感神経
      • 体性神経系
        • 運動神経
        • 知覚神経

自律神経は末梢神経の一種で、自動で生体を調整する神経である。

イメージとしては、「自分を律する神経」である。

自律神経はさらに交感神経と副交感神経からなる。

交感神経

交感神経とは、イメージでいうと「ドキドキ興奮するときにはたらく神経」である。

運動したり、戦っているときは交感神経が働いている状態だと言える。

 

副交感神経

副交感神経は交感神経とは逆で、「リラックス時にはたらく神経」である。

リラックスして落ち着いているときは副交感神経がはたらいていると言える。

 

自律神経節とは?

自律神経節というのは自律神経の節であるから、

  • 交感神経節
  • 副交感神経節

のことである。

冒頭でも説明したが、自律神経節に作用する薬は交感神経節と副交感神経節のニコチン性アセチルコリンNN受容体に作用する薬のことである。

交感神経か副交感神経のどちらかにはたらく

自律神経節に作用する薬物は、交感神経か副交感神経のどちらかの神経節にはたらく。

ニコチン性アセチルコリンNN受容体は、交感神経、副交感神経、両方の神経節に存在する。

しかし、自律神経節に作用する薬物は、ある1つの臓器に対して同時に両方の神経節のニコチン性アセチルコリンNN受容体に作用しない。

これは、どちらかの神経が各臓器に対して優位に働いているからである。

臓器は、交感神経と副交感応神経、両方によって支配されている(二重支配)。

しかし、はたらく神経の割合は交感神経と副交感神経で1:1ではなく、どちらかの神経が臓器に強くはたらいている。

そのため、自律神経節に作用する薬物は、交感神経か副交感神経のどちらかの神経節にはたらくことになる。

(副)交感神経が優位に支配している臓器は?

交感神経が優位に支配している臓器には血管や汗腺がある。

副交感神経は、血管と汗腺以外の臓器を優位に支配している。

  • 交感神経が優位に支配している臓器:血管、汗腺
  • 副交感神経が優位に支配している臓器:血管と汗腺以外の臓器

結果的に、優位な神経節のニコチン性アセチルコリンNN受容体にはたらくことになる。

神経節を刺激した時の効果は?

優位な自律神経節を刺激したときの効果をまとめると以下のようになる。

  • 交感神経
    • 血管:血管収縮、血圧↑
    • 汗腺:分泌↑
  • 副交感神経
    • 心臓:心拍数↓
    • 瞳孔:縮瞳(瞳孔括約筋収縮)
    • 毛様体:眼内圧↓(毛様体筋収縮)
    • 唾液腺:分泌↑
    • 消化管:緊張↑、運動↑
    • 膀胱:排尿促進(排尿筋収縮)

 

自律神経節に作用する薬

自律神経節刺激薬(ニコチン性アセチルコリンNN受容体刺激薬)

自律神経節を刺激する薬は以下のようなものがある。

 

自律神経節遮断薬(ニコチン性アセチルコリンNN受容体遮断薬)

 

ニコチン受容体部分作動薬

ニコチン受容体の部分作動薬にはバレニクリンがあり、禁煙補助目的で用いられる。