「抗~」とつく薬はたくさんあります。
- 抗ヒスタミン薬
- 抗うつ薬
- 抗リウマチ薬
- 抗てんかん薬
- 抗ウイルス薬
- 抗コリン薬
- 抗血小板薬
このように、薬の名前に「抗」がついてます。
「抗」の意味はなんでしょうか?
訓読みすると、「抗う」です。なにかに抗っているのです。
抗~薬というと、「~に抗う薬」という意味になります。「~に対抗する薬」ともいえます。
- 抗うつ薬
- 抗リウマチ薬
- 抗てんかん薬
- 抗ウイルス薬
これは簡単にわかると思います。「うつ・リウマチ・てんかん・ウイルスに対抗する薬」なんだなと想像できます。
では、
これらはいかがでしょうか?それぞれ、「ヒスタミン・コリン・血小板に対抗する薬」なんだなとは分かりますが、薬について学んでない人にとっては想像しにくいと思います。
そこで、これらの「抗~薬」について、「イメージ」でもって理解してもらいたいと思います。
抗~薬のイメージ
抗ヒスタミン薬(花粉症の薬)を例に
ここでは、抗ヒスタミン薬を例に挙げましょう。抗ヒスタミン薬といえば、花粉症の薬です。
抗ヒスタミン薬は、「ヒスタミンに対抗する薬」です。具体的にイメージできるでしょうか?
ヒスタミンとは
まず、ヒスタミンとは生体内の物質で、アレルギーに関わる物質です。
花粉症もアレルギーの一種ですので、花粉症でのヒスタミンについて説明します。
花粉症の人は、花粉によりアレルギー反応が起き、鼻水がでたり目がかゆくなったりします。このアレルギー反応にヒスタミンが関わっています。ヒスタミンのせいで花粉症の人は苦しんでしまうのです。
ヒスタミンの働きを簡潔にいうと、「アレルギー反応を起こすように情報伝達する」です。花粉症の人が花粉を感知すると、ヒスタミンという物質が放出されて、ヒスタミンが血管や神経に「アレルギー反応を起こせ」と情報を伝えます。その結果、鼻水がでたり、くしゃみがでたりします。
ヒスタミンの情報伝達
情報の伝え方について具体的にいうと、ヒスタミンは細胞膜上の受容体に結合し、受容体が細胞内へ情報を伝え、アレルギー反応を起こします。ヒスタミンはその受容体に結合することで情報を伝えます。
受容体とは、特定の物質と結合してその情報を伝えるものです。ヒスタミンと結合する受容体はヒスタミン受容体といいます。
ここでの情報伝達の流れは、
ヒスタミン → 受容体 → ・・・ → 鼻水がでたり など
となります。
全体の流れを整理するとおおまかに、
花粉感知 → ヒスタミン放出 → ヒスタミンが受容体に結合 → 受容体が情報伝達 → 鼻水
このようになります。
ヒスタミンの受容体への結合を防げば良い
上記のように、ヒスタミンが受容体に結合することで「アレルギー反応を起こせ」という情報が伝わり、鼻水がでる、という結果になっています。
このことから、ヒスタミンが受容体に結合するのを防げば鼻水ズリズリになったりすることはないとわかります。
ここで登場するのが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンに対抗します。ヒスタミンが受容体に結合するのに対抗し、ヒスタミンの代わりにヒスタミン受容体に結合してしまいます。
すると、ヒスタミンは受容体に結合することができません。ヒスタミンが受容体に結合しないということは、鼻水ズリズリになりません。このようにして抗ヒスタミン薬は効いているのです。
「抗」のイメージ
抗ヒスタミン薬を例に出して説明しました。「抗」という意味の理解が深まったと思います。
抗ヒスタミン薬と同じようなものに、抗コリン薬があります。抗コリン薬は、アセチルコリンに対抗して受容体に結合します。
ちなみに、このようにある物質に対抗することを「拮抗する」といい、その薬を「拮抗薬」といいます。そのため、抗ヒスタミン薬は「拮抗薬」と言えます。
「抗」というのは広義的に用いられるため、なにも受容体に関するものだけではありません。血液凝固に対抗する薬に「抗凝固薬」というのがあります。「働き」に対しても用いられます。
最後に
この記事では「抗」について説明しました。薬について少しでも理解を深めてもらえたなら幸いです。このサイトでは、分かりやすく簡潔に書いているつもりです。ぜひ他のページもご覧になって知識を広げてみて下さい。
http://kusuri-yakugaku.com/anti-drug/http://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2016/03/272827cea61d0cc99f2682aa057b5f13.jpghttp://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2016/03/272827cea61d0cc99f2682aa057b5f13-150x150.jpgTomくすりってこんなもの「抗~」とつく薬はたくさんあります。抗ヒスタミン薬抗うつ薬抗リウマチ薬抗てんかん薬抗ウイルス薬抗コリン薬抗血小板薬このように、薬の名前に「抗」がついてます。「抗」の意味はなんでしょうか?訓読みすると、「抗う」です。なにかに抗っているのです。抗~薬というと、「~に抗う薬」という意味になります。「~に対抗する薬」ともいえます。抗うつ薬抗リウマチ薬抗てんかん薬抗ウイルス薬これは簡単にわかると思います。「うつ・リウマチ・てんかん・ウイルスに対抗する薬」なんだなと想像できます。では、抗ヒスタミン薬抗コリン薬抗血小板薬これらはいかがでしょうか?それぞれ、「ヒスタミン・コリン・血小板に対抗する薬」なんだなとは分かりますが、薬について学んでない人にとっては想像しにくいと思います。そこで、これらの「抗~薬」について、「イメージ」でもって理解してもらいたいと思います。抗~薬のイメージ抗ヒスタミン薬(花粉症の薬)を例にここでは、抗ヒスタミン薬を例に挙げましょう。抗ヒスタミン薬といえば、花粉症の薬です。抗ヒスタミン薬は、「ヒスタミンに対抗する薬」です。具体的にイメージできるでしょうか?ヒスタミンとはまず、ヒスタミンとは生体内の物質で、アレルギーに関わる物質です。花粉症もアレルギーの一種ですので、花粉症でのヒスタミンについて説明します。花粉症の人は、花粉によりアレルギー反応が起き、鼻水がでたり目がかゆくなったりします。このアレルギー反応にヒスタミンが関わっています。ヒスタミンのせいで花粉症の人は苦しんでしまうのです。ヒスタミンの働きを簡潔にいうと、「アレルギー反応を起こすように情報伝達する」です。花粉症の人が花粉を感知すると、ヒスタミンという物質が放出されて、ヒスタミンが血管や神経に「アレルギー反応を起こせ」と情報を伝えます。その結果、鼻水がでたり、くしゃみがでたりします。ヒスタミンの情報伝達情報の伝え方について具体的にいうと、ヒスタミンは細胞膜上の受容体に結合し、受容体が細胞内へ情報を伝え、アレルギー反応を起こします。ヒスタミンはその受容体に結合することで情報を伝えます。受容体とは、特定の物質と結合してその情報を伝えるものです。ヒスタミンと結合する受容体はヒスタミン受容体といいます。ここでの情報伝達の流れは、ヒスタミン → 受容体 → ・・・ → 鼻水がでたり などとなります。全体の流れを整理するとおおまかに、花粉感知 → ヒスタミン放出 → ヒスタミンが受容体に結合 → 受容体が情報伝達 → 鼻水このようになります。ヒスタミンの受容体への結合を防げば良い上記のように、ヒスタミンが受容体に結合することで「アレルギー反応を起こせ」という情報が伝わり、鼻水がでる、という結果になっています。このことから、ヒスタミンが受容体に結合するのを防げば鼻水ズリズリになったりすることはないとわかります。ここで登場するのが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンに対抗します。ヒスタミンが受容体に結合するのに対抗し、ヒスタミンの代わりにヒスタミン受容体に結合してしまいます。すると、ヒスタミンは受容体に結合することができません。ヒスタミンが受容体に結合しないということは、鼻水ズリズリになりません。このようにして抗ヒスタミン薬は効いているのです。「抗」のイメージ抗ヒスタミン薬を例に出して説明しました。「抗」という意味の理解が深まったと思います。抗ヒスタミン薬と同じようなものに、抗コリン薬があります。抗コリン薬は、アセチルコリンに対抗して受容体に結合します。ちなみに、このようにある物質に対抗することを「拮抗する」といい、その薬を「拮抗薬」といいます。そのため、抗ヒスタミン薬は「拮抗薬」と言えます。「抗」というのは広義的に用いられるため、なにも受容体に関するものだけではありません。血液凝固に対抗する薬に「抗凝固薬」というのがあります。「働き」に対しても用いられます。最後にこの記事では「抗」について説明しました。薬について少しでも理解を深めてもらえたなら幸いです。このサイトでは、分かりやすく簡潔に書いているつもりです。ぜひ他のページもご覧になって知識を広げてみて下さい。Tom
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