解熱鎮痛薬で有名なロキソニン(ロキソプロフェン)ですが、作用時間について気になりますよね。

最初に結論をまとめておきます。

  • 効くまでの時間:15~60分
  • 効果が続く時間:平均7時間
  • 何時間あけるべきか?:少なくとも3~4時間、できれば6~8時間

ロキソニンが服用してから効くまでの時間、効果が持続する時間、続けて飲む場合、何時間あけると良いのか、についてはこのようになります。

もちろん人によって違う場合があります。

これらの時間について、その情報元や詳しい説明については以下になります。

ロキソニン錠(60mg)投与後の血漿中濃度(シミュレーションカーブ)

作用時間について説明するにあたって、ロキソニン錠(60mg)投与後の血中濃度のグラフをまず示しておきます。ロキソニンの血中濃度の推移は、次のグラフのようになります。

出典:「ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10%」インタビューフォーム

「ロキソプロフェン」は体内で代謝をうけていない未変化体のことで、「trans-OH体」は代謝を受けたあとの活性代謝物のことです。

ロキソニン(ロキソプロフェン)はプロドラッグなので、活性代謝物が作用を示すことになります。プロドラッグとは、そのままでは作用を示さず、体内で代謝を受けてから作用を発揮する薬のことです。

血中濃度の推移や半減期は以下のようになりました。

  • 最高血漿中濃度に達する時間:
    • ロキソプロフェン:約30分
    • trans-OH 体:約50分
  • 半減期:いずれも約1時間15分

基本的なこととして、当たり前ですが「薬の血中濃度が高くなるほど作用が強く出る」という感覚を持っておいてください。

「血中濃度=作用の強さ」というわけではありませんが、イメージとして「薬物血中濃度は作用に関係している」というのは大事です。

ロキソニンが効くまでに「15分〜60分」かかる

ロキソニン錠・細粒の効果がでるまでの時間について、以下のような報告があります。上の血中濃度の推移から、投与50分後には効くと予想されます。

【効果発現時間】

整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対するロキソニン(60mg)の鎮痛効果は15分後に19.8%、30分後に53.4%、60分後に72.4%の症例に認められています1)

抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は15分以内に51.6%、30分以内には83.9%の症例に認められています2)

引用文献:
1)長屋郁郎 ほか:臨床医薬 1985; 1(1): 69-89
2)内田安信 ほか:歯科薬物療法 1984; 3(1):32-48

出典:医療関係者のための医薬品情報 第一三共 Medical Library

整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対して、ロキソニン(60mg)の鎮痛効果は

  • 15分後に19.8%
  • 30分後に53.4%
  • 60分後に72.4%

また、抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は

  • 15分以内に51.6%
  • 30分以内には83.9%

このように効果がでるという報告です。

整形外科領域の手術後・外傷後疼痛、抜歯後疼痛、それぞれ飲む量が違っていますが両方とも、ロキソニンを服用してから30分後には半分以上の人は効き目が現れています。15分以内に効果がでる人もいます。

抜歯後疼痛に対してはロキソニンを通常(60mg)より多い量(120mg)用いており、その場合は15分以内に半分以上の人に効果がでています。

この報告は処方薬のロキソニンですが、市販薬のロキソニンも同じようになると考えられます。

ロキソニンは「5~7時間」効果が続く

ロキソニン錠・細粒の鎮痛効果が持続する時間については、以下の報告があります。上の血中濃度の推移から、だいたい5時間くらいまで効果が続くと予想されます。

【効果持続時間】

抜歯、小手術後の疼痛発症患者の効果持続時間は、平均7.0時間と報告されています3)

口腔外科小手術患者の術後疼痛ではロキソニンを服用後、5-6時間後に疼痛が再燃したものが最も多かったと報告されています4)

引用文献:
3)清水正嗣 ほか:歯科ジャーナル 1994;39(6) :893-903
4)藤本明秀 ほか:日本口腔外科学会雑誌 1989;35(2): 524 -529

出典:医療関係者のための医薬品情報 第一三共 Medical Library

この報告から、症状などによって効果が持続する時間が違ってきますが、ロキソニン(ロキソプロフェン)は5~7時間ほど効果が持続するとわかります。

続けて飲む場合、「少なくとも3~4時間、できれば6~8時間」あける

ロキソニンの販売元である第一三共の公式サイトに以下のようなQ&Aがありました。

Q2 ロキソニン錠・細粒を頓用する場合の投与間隔は、どれくらい空けたらよいですか?

A.

頓用と指示された場合の投与間隔について、明確な決まりはありません。

参考ですが、以下のような報告があります。

  • 一般に、頓服薬の2回目の服用は、1回目の服用から6時間、可能であれば8時間後と言われています。この時間は、薬物の消失半減期から、2回目服用後も血中薬物濃度が中毒域まで上昇しないと考えられる1つの目安です1)
  • 解熱剤:通常、38.5℃以上の時に服用します。効かなくても続けて服用しないでください。少なくとも3~4時間はあけてください。
    鎮痛剤:少なくとも3~4時間はあけてください2)

短時間で頻回に投与することは過量投与になる恐れがありますので、指示どおりの用法用量を守って下ください。

引用文献:
1)伊賀立二:JJNスペシャルNo.59 ナースのためのお薬相談Q&A 1998;28-31 (株)医学書院)
2)大阪府病院薬剤師会編:困ったときのくすりQ&A 1999: 82-83 (第3刷/薬事日報社)
 

続けてロキソニンを飲む間隔は、頓用(症状が出た時に飲む)の場合は、「明確
な決まりはありません」ということです。

しかし、報告から考えると、「少なくとも3~4時間、できれば6~8時間あける」というので良いのではないでしょうか。

ロキソニンを服用してから間隔をそんなに空けずに飲むと、ロキソニンの血中濃度が上がりすぎてしまうかもしれません。

基本的に、「薬の血中濃度が上がりすぎると副作用がでてしまう」というのがあります。

続けてすぐに飲むのは控えるようにしましょう。気になることがあれば医師や薬剤師に相談してみてください。

まとめ

ロキソニンの作用時間などについて、再度まとめておきます。

  • 効くまでの時間:15~60分
  • 効果が続く時間:平均7時間
  • 何時間あけるべきか?:少なくとも3~4時間、できれば6~8時間

薬は全ての人が同じように効く、というものではありませんので、あくまで「目安に」してください。

処方薬の場合、医師の指示通りに飲むことが大事です。

ロキソニンの市販薬

最後に、ドラッグストアなどで市販薬として買えるロキソニンを紹介します。

ロキソニンは「第一類医薬品」という部類の薬なので、薬剤師がいないと買えません。

インターネットでも購入できますが、文書での情報提供をしっかり受ける必要があります。インターネットで購入する場合は、本来なら直接薬剤師から情報提供を受けるべきことを覚えておきましょう。

ロキソニンS

シンプルにロキソプロフェンが入っている「ロキソニンS」です。

ロキソニンSプラス

「ロキソニンSプラス」にはロキソプロフェンのほか、胃を守る成分として「酸化マグネシウム」が入っています。

ロキソニンSプレミアム

「ロキソニンSプラス」にはロキソプロフェンのほか、

  • アリルイソプロピルアセチル尿素:鎮痛効果を高める
  • 無水カフェイン:鎮痛効果を補助する
  • メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:胃を守る

このような成分が加えられています。

楽天市場では購入できるようです。リンクからチェックしてみてください!

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ロキソニン(ロキソプロフェン)に関する記事を紹介します。

ぜひご覧下さい。

http://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2017/01/154b7489fcaddbb45b2a0c1953b8f28f.jpghttp://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2017/01/154b7489fcaddbb45b2a0c1953b8f28f-150x150.jpgTomクスリ解熱鎮痛薬で有名なロキソニン(ロキソプロフェン)ですが、作用時間について気になりますよね。 最初に結論をまとめておきます。 効くまでの時間:15~60分 効果が続く時間:平均7時間 何時間あけるべきか?:少なくとも3~4時間、できれば6~8時間 ロキソニンが服用してから効くまでの時間、効果が持続する時間、続けて飲む場合、何時間あけると良いのか、についてはこのようになります。 もちろん人によって違う場合があります。 これらの時間について、その情報元や詳しい説明については以下になります。 ロキソニン錠(60mg)投与後の血漿中濃度(シミュレーションカーブ) 作用時間について説明するにあたって、ロキソニン錠(60mg)投与後の血中濃度のグラフをまず示しておきます。ロキソニンの血中濃度の推移は、次のグラフのようになります。 出典:「ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10%」インタビューフォーム 「ロキソプロフェン」は体内で代謝をうけていない未変化体のことで、「trans-OH体」は代謝を受けたあとの活性代謝物のことです。 ロキソニン(ロキソプロフェン)はプロドラッグなので、活性代謝物が作用を示すことになります。プロドラッグとは、そのままでは作用を示さず、体内で代謝を受けてから作用を発揮する薬のことです。 血中濃度の推移や半減期は以下のようになりました。 最高血漿中濃度に達する時間: ロキソプロフェン:約30分 trans-OH 体:約50分 半減期:いずれも約1時間15分 基本的なこととして、当たり前ですが「薬の血中濃度が高くなるほど作用が強く出る」という感覚を持っておいてください。 「血中濃度=作用の強さ」というわけではありませんが、イメージとして「薬物血中濃度は作用に関係している」というのは大事です。 ロキソニンが効くまでに「15分〜60分」かかる ロキソニン錠・細粒の効果がでるまでの時間について、以下のような報告があります。上の血中濃度の推移から、投与50分後には効くと予想されます。 【効果発現時間】 整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対するロキソニン(60mg)の鎮痛効果は15分後に19.8%、30分後に53.4%、60分後に72.4%の症例に認められています1)。 抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は15分以内に51.6%、30分以内には83.9%の症例に認められています2)。 引用文献: 1)長屋郁郎 ほか:臨床医薬 1985; 1(1): 69-89 2)内田安信 ほか:歯科薬物療法 1984; 3(1):32-48 出典:医療関係者のための医薬品情報 第一三共 Medical Library 整形外科領域の手術後・外傷後疼痛に対して、ロキソニン(60mg)の鎮痛効果は 15分後に19.8% 30分後に53.4% 60分後に72.4% また、抜歯後疼痛に対するロキソニン(120mg頓用)の鎮痛効果は 15分以内に51.6% 30分以内には83.9% このように効果がでるという報告です。 整形外科領域の手術後・外傷後疼痛、抜歯後疼痛、それぞれ飲む量が違っていますが両方とも、ロキソニンを服用してから30分後には半分以上の人は効き目が現れています。15分以内に効果がでる人もいます。 抜歯後疼痛に対してはロキソニンを通常(60mg)より多い量(120mg)用いており、その場合は15分以内に半分以上の人に効果がでています。 この報告は処方薬のロキソニンですが、市販薬のロキソニンも同じようになると考えられます。 ロキソニンは「5~7時間」効果が続く ロキソニン錠・細粒の鎮痛効果が持続する時間については、以下の報告があります。上の血中濃度の推移から、だいたい5時間くらいまで効果が続くと予想されます。 【効果持続時間】 抜歯、小手術後の疼痛発症患者の効果持続時間は、平均7.0時間と報告されています3)。 口腔外科小手術患者の術後疼痛ではロキソニンを服用後、5-6時間後に疼痛が再燃したものが最も多かったと報告されています4)。 引用文献: 3)清水正嗣 ほか:歯科ジャーナル 1994;39(6) :893-903 4)藤本明秀 ほか:日本口腔外科学会雑誌 1989;35(2): 524 -529 出典:医療関係者のための医薬品情報 第一三共 Medical Library この報告から、症状などによって効果が持続する時間が違ってきますが、ロキソニン(ロキソプロフェン)は5~7時間ほど効果が持続するとわかります。 続けて飲む場合、「少なくとも3~4時間、できれば6~8時間」あける ロキソニンの販売元である第一三共の公式サイトに以下のようなQ&Aがありました。 Q2 ロキソニン錠・細粒を頓用する場合の投与間隔は、どれくらい空けたらよいですか? A. 頓用と指示された場合の投与間隔について、明確な決まりはありません。 参考ですが、以下のような報告があります。 一般に、頓服薬の2回目の服用は、1回目の服用から6時間、可能であれば8時間後と言われています。この時間は、薬物の消失半減期から、2回目服用後も血中薬物濃度が中毒域まで上昇しないと考えられる1つの目安です1)。 解熱剤:通常、38.5℃以上の時に服用します。効かなくても続けて服用しないでください。少なくとも3~4時間はあけてください。 鎮痛剤:少なくとも3~4時間はあけてください2)。 短時間で頻回に投与することは過量投与になる恐れがありますので、指示どおりの用法用量を守って下ください。 引用文献: 1)伊賀立二:JJNスペシャルNo.59 ナースのためのお薬相談Q&A 1998;28-31 (株)医学書院) 2)大阪府病院薬剤師会編:困ったときのくすりQ&A 1999: 82-83 (第3刷/薬事日報社) 出典:医療関係者のための医薬品情報 第一三共 Medical Library   続けてロキソニンを飲む間隔は、頓用(症状が出た時に飲む)の場合は、「明確 な決まりはありません」ということです。 しかし、報告から考えると、「少なくとも3~4時間、できれば6~8時間あける」というので良いのではないでしょうか。 ロキソニンを服用してから間隔をそんなに空けずに飲むと、ロキソニンの血中濃度が上がりすぎてしまうかもしれません。 基本的に、「薬の血中濃度が上がりすぎると副作用がでてしまう」というのがあります。 続けてすぐに飲むのは控えるようにしましょう。気になることがあれば医師や薬剤師に相談してみてください。 まとめ ロキソニンの作用時間などについて、再度まとめておきます。 効くまでの時間:15~60分 効果が続く時間:平均7時間 何時間あけるべきか?:少なくとも3~4時間、できれば6~8時間 薬は全ての人が同じように効く、というものではありませんので、あくまで「目安に」してください。 処方薬の場合、医師の指示通りに飲むことが大事です。 ロキソニンの市販薬 最後に、ドラッグストアなどで市販薬として買えるロキソニンを紹介します。 ロキソニンは「第一類医薬品」という部類の薬なので、薬剤師がいないと買えません。 インターネットでも購入できますが、文書での情報提供をしっかり受ける必要があります。インターネットで購入する場合は、本来なら直接薬剤師から情報提供を受けるべきことを覚えておきましょう。 ロキソニンS 【第1類医薬品】ロキソニンS(セルフメディケーション税制対象)(12錠)【hl_mdc1216_loxonin】【ロキソニン】 posted with カエレバ   楽天市場   シンプルにロキソプロフェンが入っている「ロキソニンS」です。 ロキソニンSプラス 【第1類医薬品】ロキソニンSプラス(セルフメディケーション税制対象)(12錠)【hl_mdc1216_loxonin】【ロキソニン】 posted with カエレバ   楽天市場   「ロキソニンSプラス」にはロキソプロフェンのほか、胃を守る成分として「酸化マグネシウム」が入っています。 ロキソニンSプレミアム 【第1類医薬品】ロキソニンSプレミアム(セルフメディケーション税制対象)(24錠)【ロキソニン】 posted with カエレバ   楽天市場   「ロキソニンSプラス」にはロキソプロフェンのほか、 アリルイソプロピルアセチル尿素:鎮痛効果を高める 無水カフェイン:鎮痛効果を補助する メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:胃を守る このような成分が加えられています。 楽天市場では購入できるようです。リンクからチェックしてみてください! 関連 ロキソニン(ロキソプロフェン)に関する記事を紹介します。 ぜひご覧下さい。