錠剤(白)

それは、薬物分子です。

薬物分子というのは、薬の本体のことです。

分子というと、水分子(H2O)や塩(NaCl)がありますが、大きさのスケールでいうとそういったスケールの話です。

分子について(補足)

分子をイメージできない場合は、分子は粒のようなものだと思って下さい。水を見て、H2Oの粒が見えるということはありません。肉眼では絶対に見えないほど小さいからです。水はH2Oという粒でできているとイメージしておけば良いです。

水分子

薬物分子の大きさというのは、そういったレベルですから、薬1錠の中にたくさんの薬物分子が入っていると予想できます。

1錠に入っている薬物分子の数

改めて、その数なんと

333兆を100万倍した数

です。

この数は、アスピリン(有名な解熱鎮痛薬)100 mg 含まれる錠剤にて算出した値です。アスピリンの分子量を約180として、アボガドロ数から求めました。
※1錠に含まれる薬の量や薬の種類によって変わります。

ちなみに、兆の次は京(けい)、京の次は垓(がい)ですので、

333兆を100万倍した数 = 333垓

となります。

アスピリン100 mg 1錠の中には、約333垓の薬物分子が入っていることになります。

これからアスピリンを飲むときは、

「アスピリン薬物分子が333垓個、体に入ってくる~」

とでも思いましょう(笑

薬というのはパッと見、「こんなものが効くのか?」と思うと思います。しかしこうして薬物分子の数を見てみると、なんだか薬の見方が変わってきます。

薬物分子すべてが働くわけではない

もちろん、すべての薬物分子がしっかり働いて効果を示すわけではありません

1錠の中には333垓もの薬物分子があったとしても、腸からすべて体内へ取り込まれるわけではなく、体内に入った薬物分子すべてが働くわけではありません。

体内に入ったとしても肝臓で代謝され、効かない状態にされる薬物分子もあれば、効果を発揮しないまま尿中へ排泄されてしまうものもあります。

有効薬物血中濃度とは?

薬というのは、その薬物分子が目的の場所(例えば脳)にたどりつき、そこでさらに目標とする分子にたどりついて初めて効果というのが現れます。

たどりつく薬物分子というのも1つだけでいいということはなく、ある程度の量たどりつかなくてはなりません。ある一定以上の薬物分子がたどりつかないと薬効が現れないということです。

そのため、有効薬物血中濃度というのがあり、薬物の血中濃度が一定以上でなければ薬効が現れないというのはこのためです。少し付け加えると、たどりつく薬物分子が多すぎてもだめです。逆に副作用や中毒症状がでてしまいます。

有効血中濃度には最適な範囲があり、その範囲になるように投与する薬物の量をうまく調節しなければなりません。

まとめ

「1錠の中にある薬物分子の数」という視点から、薬に関して理解を深められましたか?

「イメージする」または「イメージできる」というのは大切なことです。

「薬がどのようにして効いているのか」というのは、簡単に目で見てわかるものではありません。

薬を理解する上で、「イメージ」は大事です。イメージがあれば想像するだけですぐに理解を深められたり、すぐに覚えることができます。

このサイトでは、「イメージ」を意識して記事を書いています。ぜひこのサイトで薬の理解を深めて下さい。

http://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2016/03/NKJ56_okusurij-1024x683.jpghttp://kusuri-yakugaku.com/wp-content/uploads/2016/03/NKJ56_okusurij-150x150.jpgTomくすりってこんなものそれは、薬物分子です。薬物分子というのは、薬の本体のことです。分子というと、水分子(H2O)や塩(NaCl)がありますが、大きさのスケールでいうとそういったスケールの話です。分子について(補足)分子をイメージできない場合は、分子は粒のようなものだと思って下さい。水を見て、H2Oの粒が見えるということはありません。肉眼では絶対に見えないほど小さいからです。水はH2Oという粒でできているとイメージしておけば良いです。薬物分子の大きさというのは、そういったレベルですから、薬1錠の中にたくさんの薬物分子が入っていると予想できます。1錠に入っている薬物分子の数改めて、その数なんと333兆を100万倍した数です。この数は、アスピリン(有名な解熱鎮痛薬)100 mg 含まれる錠剤にて算出した値です。アスピリンの分子量を約180として、アボガドロ数から求めました。※1錠に含まれる薬の量や薬の種類によって変わります。ちなみに、兆の次は京(けい)、京の次は垓(がい)ですので、333兆を100万倍した数 = 333垓となります。アスピリン100 mg 1錠の中には、約333垓の薬物分子が入っていることになります。これからアスピリンを飲むときは、「アスピリン薬物分子が333垓個、体に入ってくる~」とでも思いましょう(笑薬というのはパッと見、「こんなものが効くのか?」と思うと思います。しかしこうして薬物分子の数を見てみると、なんだか薬の見方が変わってきます。薬物分子すべてが働くわけではないもちろん、すべての薬物分子がしっかり働いて効果を示すわけではありません。1錠の中には333垓もの薬物分子があったとしても、腸からすべて体内へ取り込まれるわけではなく、体内に入った薬物分子すべてが働くわけではありません。体内に入ったとしても肝臓で代謝され、効かない状態にされる薬物分子もあれば、効果を発揮しないまま尿中へ排泄されてしまうものもあります。有効薬物血中濃度とは?薬というのは、その薬物分子が目的の場所(例えば脳)にたどりつき、そこでさらに目標とする分子にたどりついて初めて効果というのが現れます。たどりつく薬物分子というのも1つだけでいいということはなく、ある程度の量たどりつかなくてはなりません。ある一定以上の薬物分子がたどりつかないと薬効が現れないということです。そのため、有効薬物血中濃度というのがあり、薬物の血中濃度が一定以上でなければ薬効が現れないというのはこのためです。少し付け加えると、たどりつく薬物分子が多すぎてもだめです。逆に副作用や中毒症状がでてしまいます。有効血中濃度には最適な範囲があり、その範囲になるように投与する薬物の量をうまく調節しなければなりません。まとめ「1錠の中にある薬物分子の数」という視点から、薬に関して理解を深められましたか?「イメージする」または「イメージできる」というのは大切なことです。「薬がどのようにして効いているのか」というのは、簡単に目で見てわかるものではありません。薬を理解する上で、「イメージ」は大事です。イメージがあれば想像するだけですぐに理解を深められたり、すぐに覚えることができます。このサイトでは、「イメージ」を意識して記事を書いています。ぜひこのサイトで薬の理解を深めて下さい。