抗不整脈薬は、Vaughan Williams分類によって作用機序でⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ群に分類されている。その中でⅡ群はアドレナリンβ受容体(特にβ1)を遮断することで抗不整脈作用を示す医薬品である。

Ⅱ群

Ⅱ群には以下のような医薬品があげられる。

・選択的β1受容体遮断薬

  • アセブトロール
  • アテノロール
  • ビソプロロール
  • メトプロロール

・非選択的β1受容体遮断薬

  • ピンドロール
  • ナドロール
  • プロプラノロール
  • ピンドロール

これらの医薬品は、アドレナリンβ1受容体を遮断することで抗不整脈作用を示す。

 

作用機序

Ⅱ群の医薬品には以下の作用があげられる。

  • 自動能及び刺激伝導速度の低下作用
  • 活動電位持続時間の延長作用
  • 活動電位の閾値上昇作用

自動能及び刺激伝導速度低下作用

アドレナリンβ1受容体を遮断することで、交感神経による心機能亢進作用を抑制する。

活動電位持続時間延長作用

アドレナリンβ1受容体を遮断することで、活動電位の持続時間や不応期を延長させる。

活動電位閾値上昇作用

アドレナリンβ1受容体を遮断することで、活動電位が発生する閾値が高くなることで、

異常な興奮を抑える。

 

適応

Ⅱ群の医薬品には適応として以下のものがあげられる。

  • 上室性及び心室性頻脈性不整脈

なお、このⅡ群の抗不整脈薬は特に交感神経興奮作用による不整脈に用いられる。

これ以外にビソプロロールは心室性期外収縮に適応がある。

特に高血圧や狭心症と合併した不整脈に適応がある。

 

副作用

Ⅱ群の医薬品の副作用としては以下のものがあげられる。

  • 徐脈
  • 房室ブロック

交感神経を抑制することにより、徐脈などの副作用を生じる。

 

禁忌

重篤なうっ血性心不全の患者さんや高度(Ⅱ度以上)の房室・洞房ブロックの患者さんには禁忌である。

また、・非選択的β1受容体遮断薬は、気管支のβ2受容体も遮断してしまうことから、気管支平滑筋を収縮させ、喘息を悪化させるため投与が禁忌となっている。