​グリベンクラミドは第二世代のスルホニル尿素(SU)薬であり、インスリンの分泌を促進するため、糖尿病に用いられる。

SU薬は、正常な人の血糖も低下させる。

SU:sulfonylurea

作用機序:SU受容体に結合→→インスリン分泌↑

スルホニル尿素(SU)薬であるグリベンクラミドは、以下の作用機序でインスリンを分泌し、血糖を下げる。

  1. 膵臓のB(β)細胞膜のSU受容体に結合する
  2. ATP依存性K+チャネ ルを閉口し、膜が脱分極する
  3. 膜電位依存性Ca2+チャネルが開口する
  4. 細胞内Ca2+濃度↑
  5. インスリン分泌↑

グリベンクラミドが膵臓のB(β)細胞膜上のスルホニル尿素(SU)受容体に結合すると、ATP依存性K+チャネ ルを閉口し、膜が脱分極する。

脱分極により膜電位依存性Ca2+チャネルが開口し、細胞内にCa2+が流入してCa2+濃度が上がり、インスリンの分泌が促進される。

このようにしてグリベンクラミドは作用を示す。

適応

2型糖尿病(インスリン依存状態には無効)

 

副作用

  • 過量投与による低血糖
  • 胃腸障害
  • 肝障害
  • アレルギー(発疹、 光線過敏症)
  • 無顆粒球症

 

相互作用

グリベンクラミドなどのSU薬と併用することで、SU薬の作用を強める/弱める薬がある。

SU薬(トルブタミドなど)の作用を強める薬

併用により、グリベンクラミドなどのSU薬の作用を強める薬を以下に示す。

  • 酸性NSAIDs
  • プロベネシド
  • アドレナリンβ受容体遮断薬
  • クロラムフェニコール
  • フィ ブラート系薬(クロフィブラート)
  • クマリン系抗凝血薬(ワ ルファリン)

酸性NSAIDs

酸性NSAIDsは、SU薬の血漿タンパク質との結合を競合することでSU薬の血中濃度が上がり、作用が強くなる。

 

プロベネシド

プロベネシドはSU薬の腎排泄を抑制することでSU薬の作用を強める。

 

アドレナリンβ受容体遮断薬

アドレナリンβ受容体遮断薬には、それ自体に血糖を低下させる作用がある。

そのため、血糖を低下させるSU薬と併用することでさらに血糖を低下させる作用が強くなる。

 

クロラムフェニコール、フィ ブラート系薬(クロフィブラート)、クマリン系抗凝血薬(ワ ルファリン)

  • クロラムフェニコール
  • フィ ブラート系薬(クロフィブラート)
  • クマリン系抗凝血薬(ワ ルファリン)

これらの薬は、SU薬の代謝を抑制することでSU薬の作用を強くする。

 

SU薬(トルブタミドなど)の作用を弱める薬

SU薬の作用を弱める薬には以下のようなものがある。

  • 副腎皮質ステロイド
  • 利尿薬:
    • チアジド系利尿薬
    • ルー プ利尿薬