単純拡散
単純拡散は、基本的な物質の膜透過機構であり、透過速度は透過物質の膜を隔てた濃度勾配(イオン性物質の場合は電気化学ポテンシャル差)によって決まる。
目次 (項目へとびます)
FiCKの法則
Fickの法則によって単純拡散は説明される
シンク条件(C2>C3≒0)では膜透過速度が見かけ上1次速度となる。
単純拡散の透過原理
単純拡散では、膜内外の輸送される物質の濃度差が輸送の駆動力となり、濃度の高いところから低いところに輸送される。
そのため、ATPの加水分解エネルギーを消費しない。
単純拡散の特徴
単純拡散の特徴を示す。
- ほとんどの薬物は単純拡散によって膜透過する
- 濃度勾配に従う(ATPの加水分解エネルギーを消費しない)
- 単純拡散はFickの法則に従うため、
- 薬物の透過速度は濃度勾配 (C1 – C4)/h に比例する
- 薬物の透過速度は膜の厚さhに反比例する
- 薬物の透過速度は膜/溶媒間の分配係数Kに比例する
- 薬物の膜透過性の指標に、 pH分配仮説が適用できる
(能動輸送などの特殊輸送が関与している場合には、pH分配仮説は適用されない) - 飽和現象や共存物質(薬物間どうしに相互作用がない場合)による透過性の変動は見られない
生体膜通過機構の分類
生体膜通過機構の分類における、単純拡散の位置付けを示す。
- 生体膜透過機構:単純拡散と特殊輸送に大別される
- 単純拡散
- 特殊輸送
- 能動輸送
- 一次性能動輸送
- 二次性能動輸送
- 共輸送
- 逆輸送
- 促進拡散
- 膜動輸送
- 能動輸送
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