ジスチグミンは可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であり、副交感神経興奮作用をもつ。

眼平滑筋に作用し、縮瞳を引き起こしたり、眼内圧を低下させたりする。

そのため、緑内障に用いられる。

 

作用機序

ジスチグミンには以下のような作用がある。

  • 縮瞳作用
  • 眼内圧を下げる作用

瞳孔括約筋収縮 → 縮瞳

ジスチグミンは虹彩の平滑筋である瞳孔括約筋を収縮させ、縮瞳させる。

瞳孔括約筋というのは瞳孔を縮める平滑筋であり、これが収縮すると瞳孔が縮む(縮瞳する)。

毛様体筋収縮 → 眼内圧↓

ジスチグミンは毛様体筋を収縮させ、以下のような作用を示す。

  • 水晶体肥厚
    → 近視性調節麻痺
  • シュレム管開口
     → 眼房水流出
     → 眼内圧↓

このようにジスチグミンは眼内圧を下げる作用があるため、緑内障の治療に用いられる。

ネオスチグミンとの違いは?

ジスチグミンは、同じ可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であるネオスチグミンと作用が似ている。

しかし、ジスチグミンはネオスチグミンよりもコリンエステラーゼ(ChE)阻害作用が強く、持続的である。

違いは以下のようになる。

  • ChE阻害作用:ジスチグミン > ネオスチグミン
  • 持続性:ジスチグミン > ネオスチグミン

関連

眼の平滑筋に作用する副交感神経興奮・抑制薬を以下にまとめる。