お酒には、ロック、水割り、お湯割りがあります。
どれが一番酔いやすいでしょう?

結論から言うと、ロックが一番酔いやすいです。
水割りとお湯割りでは大きな差がないと思いますが、お湯割りのほうが酔いやすいでしょう。

ちなみに、
ロックとは、氷とお酒で飲む飲み方のことをいいます。お酒を水やお湯で薄めず、お酒に氷だけを入れて飲みます。

水割りとはお酒を水で割ったもの、
お湯割りとはお酒をお湯で割ったものです。

比べる条件について

この比較は、飲むときの条件を同じにして行います。水割りはお湯割りより口当たりがよくて飲みやすく、水割りのほうが早く飲めるだろうということは考慮しません。

それぞれの場合で、次のような条件を同じとして考えます

  • 飲むスピード(飲むペース)
  • 飲む量
  • 水割りとお湯割りの、お酒と水(お湯)の比率(要は濃さを同じとする)

なぜロックが一番酔うのか

ロック

これを考えるには、次の2つを知る必要があります。

  1. 何が「酔いの程度」を決めるのか
  2. ロック、水割り、お湯割りのちがい

これらについて説明していきます。

何が「酔いの程度」を決めるのか

「酔い」はもちろんアルコールによるものです。

では、アルコールの何が「酔いの程度」を決めるのでしょうか。

それは単純に、「どれだけアルコールの量が体内に入っているか」です。

アルコールは胃から約20%、残りは小腸上部から主に吸収されます。

この「体内にアルコールが入る」というのは、胃や腸から吸収され、血液中などに入った状態のことです。厳密には、胃や腸の中というのは外へ通じる「体外」ですから、胃・腸の中は「体内」ではありません

「どれだけのアルコールが体内に入っているのか」
これを示す具体的な指標は、血液中のアルコール濃度(血中アルコール濃度)です。血中アルコール濃度によって酔いの程度は決まります。アルコール中毒の状態は、血中アルコール濃度が高い状態と言えます。

ロック、水割り、お湯割りのちがい

前の項で、「酔い」は血中アルコール濃度で決まるといいました。

つまり、同じペースで同じ量飲んで、一番血中アルコール濃度を上げやすいものが一番酔いやすいことになります。

結論を先に述べましたが、ロックが一番血中アルコール濃度を上げやすいです。これは、ロックが一番アルコール濃度が高いからです。水(お湯)で割っていませんから、割ったものと比べてアルコール濃度は高くなります。

アルコール濃度が高いロックを飲めば、血中アルコール濃度が高くなるのは当たり前です。

イメージ!濃度が高いほうが早く吸収される!

ロックは水(お湯)割りと比べてアルコール濃度が高く、酔いやすいといいました。

アルコール濃度が高いほうが早く吸収され、早く血中アルコール濃度が上がり、早く酔いやすいです。

水(お湯)割りは、水で薄まっている分簡単にスーッと吸収されて、すぐに酔いそうな気がします。ですがこれは間違いです。

吸収するスピードというのは、主に濃度によって決まります。

とりあえず下の図を見て下さい。

まずはアルコール濃度がロックと比べて低い、水(湯)割りのイメージ図です。

アルコール濃度小

次に、水(湯)割りよりもアルコール濃度が高いロックの場合のイメージ図です。

アルコール濃度大

図から見ても分かるように、濃度が高いほどアルコールが血中へ早く移ります

お酒を飲んだとき、胃・腸内のアルコール濃度は高く、血中のアルコール濃度は低いです。このように、胃・腸内と血中にはアルコールの濃度勾配があります。この濃度勾配が大きいほど、アルコールは早く血液中へ移ることが容易に想像できます。

満員電車からは早く出たいと思いますよね。イメージ的にはそういうことです。

ロックのほうが早く血中アルコール濃度が上がり、酔いやすいというのはこういうことです。

理解いただけたでしょうか?

水割りとお湯割りの比較

水割りとお湯割りは比べるとどうでしょうか?

両者のアルコール濃度、飲むペースや量は同じとします。

その場合、お湯割りのほうが酔いやすいのではないかと思います。

理由としては、お湯割りのほうが温かく、体温に近いからです。胃や腸は、冷やすよりも温めたほうが運動しやすくなります。温めたほうが柔軟性が増し、それにより吸収効率も上がるのではないかと思います。

実際には?

条件を同じにして比較を行いましたが、実際飲む場合はどうでしょうか?

やはり「飲みやすさ」というのが関わってくると思います。度数の高い、アルコール濃度の高いお酒はガブガブ飲みにくいです。水割りなんかで割ってあげると飲みやすくなり、飲む量も増えると思います。それにより、酔い方も変わってくると思います。

みなさんに覚えていてもらいたいのは、「酔い」は濃度だということです。この記事で紹介した「イメージ」を持っているだけでお酒の理解は変わってくると思います。

最後に、ロックで飲んでも酔いにくくする方法を紹介します。

ロックで飲んでも酔いにくくする方法

上記で「酔い」は濃度だといいました。酔いにくくするには、アルコールの濃度を下げれば良いです。水や何かで薄めれば良いのです。

じゃあロックは酔いにくくできないのか?

そんなことはありません。飲んでも酔いにくくする方法があります。

ロックで飲んだ後、すぐに水か何かを飲んで胃の中で薄めれば良いのです。あらかじめ水を飲んでおくのでもかまいません。つまみを食べながら飲んだほうが良いというのは、同じようなことです。

吸収速度に関わるアルコール濃度は飲んだときの濃度ではありません。胃・腸から吸収されるときの濃度です。胃の中ですぐに薄めてしまえば、水割りで飲んだときと変わりません。

飲みすぎてつぶれてから水を飲むくらいなら、お酒を飲んですぐに水でも飲んでおきましょう。アルコールの吸収を抑えることができます。

体の理解を深めて、お酒とうまく付き合っていきましょう。

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