タクロリムス(FK506)は、免疫抑制薬という種類の薬である。

特徴

  • 免疫抑制作用はシクロスポリン(免疫抑制薬)の10~100倍

作用機序

タクロリムスは、サイトカインの産生を低下させて免疫抑制にはたらく。

作用機序
カルシニューリンの阻害

  1. タクロリムスは細胞内でFK結合タンパク(FKBP)と結合し、その複合体がカルシニューリンを阻害する
  2. 転写因子であるNFATはカルシニューリンにより活性化されず、IL-2の産生が低下する

NFAT

NFATは転写因子である。

NFATは、カルシニューリンによって脱リン酸化されて活性化し、IL-2の産生を増やす。

NFAT
カルシニューリンにより活性化
→ IL-2産生↑

カルシニューリン

カルシニューリンは、NFATを脱リン酸化して活性化し、IL-2の産生を増やす。

カルシニューリン
NFATを脱リン酸化
→ NFAT活性化
→ IL-2の産生↑

代謝

シクロスポリンは、P450(CYP3A4)により代謝を受ける

副作用

  • 心臓障害
  • 腎障害
  • 肝障害
  • 神経障害