コカインは、コカ葉に含まれるアルカロイドで、エステル型の局所麻酔薬である。

左旋性光学活性体で、熱に不安定である。

 

作用機序:Na+チャネル遮断

コカインはNa+チャネルを遮断し、局所麻酔作用を示す。

 

交感神経興奮作用:血管収縮→局所麻酔作用持続

コカインには交感神経終末のアミントランスポーター(アミンポンプ)を阻害する作用がある。

アミントランスポーターはシナプス間隙のノルアドレナリンを再取り込みする輸送体であり、これが阻害されるとノルアドレナリンがシナプス間隙に蓄積する。

コカインによってアミントランスポーターが阻害されると、シナプス間隙のノルアドレナリン濃度が高まり、交感神経興奮作用を示す。

これにより、血管収縮を引き起こす。

血管収縮が起きるとコカインの吸収が遅くなり、局所にとどまるため麻酔作用が持続する。

 

 

中枢作用

コカインは麻薬であり、中枢に対して強い興奮作用を示す。

  • 疲労感がなくなる
  • 精神的発揚作用がある

といった作用があり、連用によっては精神的依存を形成しやすい。

また、コカインを増量すると間代性痙れんを起こす。

 

適用方法

  • 表面麻酔法

コカインは組織浸透性がよいため、表面麻酔法が用いられる。

表面麻酔法以外の適用方法は、副作用がでるため用いられない。このような不都合があり、合成局所麻酔薬が開発された。

 

適応

  • 口腔・咽頭・喉頭・気道・尿道の粘膜麻酔
  • 眼科用(点眼)
  • 外用(軟膏)