シクロスポリン
シクロスポリンは、免疫抑制薬という種類の薬である。
特徴
- 薬物消失に関わる代謝酵素(CYP3A4)、薬物輸送系(P-糖タンパク質)を阻害する
→ 併用禁忌・併用注意の薬が多い - 真菌から抽出
- 11アミノ酸
- 環状
作用機序
シクロスポリンは、サイトカインの産生を低下させて免疫抑制にはたらく。
作用機序
カルシニューリンの阻害
- シクロスポリンはヘルパーT細胞内のシクロフィリンと結合し、その複合体が脱リン酸化酵素のカルシニューリンを阻害する
- 転写因子であるNFATはカルシニューリンにより活性化されず、IL-2の産生が低下する
NFAT
NFATは転写因子であり、T細胞活性化因子である。
NFATは、カルシニューリンによって脱リン酸化されて活性化し、IL-2の産生を増やす。
NFAT
カルシニューリンにより活性化
→ IL-2産生↑
→ IL-2産生↑
カルシニューリン
カルシニューリンは、NFATを脱リン酸化して活性化し、IL-2の産生を増やす。
カルシニューリン
NFATを脱リン酸化
→ NFAT活性化
→ IL-2の産生↑
→ NFAT活性化
→ IL-2の産生↑
代謝
シクロスポリンは、P450(CYP3A4)により代謝を受ける。そのため、CYP3A4で代謝される薬と併用するときは注意する必要がある。
禁忌
- ロスバスタチンと併用(AUCが7倍に上昇)
副作用
- 腎障害
- 肝障害
- 神経障害
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