内因性交感神経刺激作用(ISA)
内因性交感神経刺激作用(ISA)とは、イメージを言うと、
「活発になりすぎないように抑え、抑えすぎないようにほどよく活性化させる作用」
のことである。
部分作動薬をイメージすると良い。
内因性交感神経刺激作用(ISA)は、アドレナリンβ受容体遮断薬が持つ作用として取り上げられる。
目次 (項目へとびます)
ISAは何の略?
ISA(内因性交感神経刺激作用)の略は以下のようになっている。
ISA:Intrinsic Sympathomimetic Action
- Intrinsic:本来備わっている、本質的な
- Sympathomimetic:交感神経刺激の
- Action(Activity):作用
つまりISAというのは、「もともと持っている交感神経を刺激する作用」と言える。
「内因性」というと「体にもともと備わっているもの」、と考えられるが、あくまでISAはβ受容体遮断薬がもつ作用である。
β受容体遮断薬がβ受容体を刺激するとしたら「内因性」とは言えないかもしれないが、深くは考えないようにする。
より具体的に
内因性交感神経刺激作用(ISA)をより具体的に説明すると、以下のようになる。
「カテコールアミンの濃度が高く、活発にβ受容体を刺激しているときはβ受容体の活性を抑え、逆に内因性アゴニストが枯渇して活性が下がっているときは緩やかに活性化させる」
このような作用を「内因性交感神経刺激作用(ISA)」という。
内因性交感神経刺激作用(ISA)を持つ薬は、
「活性化しすぎたり、活性がなくならないように、うまいこと受容体活性を調節できる」
と言える。
ISAの(+)、(-)とは?
内因性交感神経刺激作用(ISA)を持つ、持たない、というのは、(+)(-)で表す。
ISAを持つものは(+)、持たないものは(-)である。
- ISAあり:(+)
- ISAなし:(-)
ISAがある薬の作用は?メリットは?
ISAがある薬というのは簡単に言うと「活性が下がりすぎない薬」である。
心機能の抑制しすぎを回避 → 徐脈患者や高齢者にも
ISAがあるβ遮断薬は、心臓のβ1受容体をほどよく刺激する。
そのため、心機能を抑制しすぎることがなく、徐脈になりにくく、徐脈患者や高齢者にも使いやすい。
四肢冷却といった副作用が少ない
ISAがあるβ遮断薬は、血管のβ2受容体をほどよく刺激して血管収縮が起こさず、血行が悪くならない。
そのため、ISAがあるβ遮断薬は四肢冷却といった副作用が少ない。
ISA(+)、(-)のβ受容体遮断薬
ISA(+)、(-)のβ受容体遮断薬を以下に挙げる。
ISA(+)
- 非選択的β受容体遮断薬
- アルプレノロール
- オクスプレノロール
- ピンドロール
- カルテオロール
- ペンブトロール
- 選択的β1受容体遮断薬
- アセブトロール
ISA(-)
- 非選択的β受容体遮断薬
- プロプラノロール
- ブフェトロール
- チモロール
- ナドロール
- ニプラジロール
- 選択的β1受容体遮断薬
- アテノロール
- メトプロロール
- ビソプロロール
- セリプロロール
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