タキフィラキシー
タキフィラキシーとは、簡単にいうと「短い時間で薬を繰り返し使うと効果がなくなる」という現象のことである。
薬の反復投与によってすぐに効果がなくなることを脱感作というが、タキフィラキシーは急性の脱感作である。
薬物を短時間内に反復投与すると、シナプス前ニューロンに存在する化学伝達物質の急速な消耗が引き起こされ、シナプス伝達が低下する.この現象をタキフィラキシーという。
タキフィラキシーを起こす薬物
タキフィラキシーを起こす薬物を以下に挙げる。
- チラミン
- アンフェタミン
- メタンフェタミン
チラミン
タキフィラキシーを起こすものに、薬として用いられることはないが、チラミンがある。
チラミンは間接型のアドレナリン作動薬であり、ノルアドレナリンを遊離させて間接的に交感神経興奮作用を示す。
具体的には、交感神経節後線維末端からノルアドレナリンを遊離させる。
チラミンの作用によりノルアドレナリンがシナプスに放出されるため、細胞内のノルアドレナリンが不足してしまう。
そのため、さらにチラミンが作用してノルアドレナリンを遊離させようとしても、ノルアドレナリンが細胞内に不足しているためノルアドレナリンを遊離させることができない。
このように、チラミンが繰り返し作用したとしても効果がでなくなる、つまりタキフィラキシーが起きる。
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