エフェドリンは混合型アドレナリン作動薬であり、

このように、直接作用と間接作用を合わせもつため「混合型」である。

エフェドリン塩酸塩

出典:「ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mg」添付文書


dl-メチルエフェドリン塩酸塩

出典:「メチエフ散10%」添付文書

エフェドリンは麻黄に含まれる

エフェドリンは麻黄に含まれるアルカロイドである。

麻黄といえば「麻黄湯」で、インフルエンザになったときなどに出される漢方だ。

そのため、麻黄湯にもエフェドリンが入っていると言える。

作用

エフェドリンには、

  • アドレナリンα,β受容体刺激作用
  • 中枢興奮作用

がある。

α作用、β作用

エフェドリンは、α作用とβ作用、両方有する。

α作用:血管収縮など

エフェドリンはノルアドレナリンの遊離を促進し、間接的にα作用を示す。そのため、血管収縮などが起きる。

ノルアドレナリンの遊離促進による作用であるため、α作用にはタキフィラキシーが生じる。

β2作用:気管支拡張など

エフェドリンはβ2受容体に直接作用するため、気管支拡張などを引き起こす。

β2作用の場合は受容体に直接作用するため、タキフィラキシーは生じない。

中枢興奮作用

エフェドリンには中枢興奮作用もある。

エフェドリンは血液脳関門を通過し、

  • 中枢ドパミン(DA)作動性神経からドパミンの遊離を促進する
  • MAOを阻害する

このような作用があるため、中枢興奮作用を示す。

特徴

エフェドリンは以下のような特徴がある。

  • 経口投与が可能
  • 持続的に作用する

経口投与可能

エフェドリンは経口投与が可能である。

これは、エフェドリンが消化管で分解されないためである。

具体的には、エフェドリンは

  • カテコール核がない
  • α位にメチル基が導入されているため、COMTやMAOにより分解されない

といった特徴があるため、消化管で分解されない。

持続的作用

エフェドリンはMAOとCOMTにより分解されないため、作用が持続する。

適応

  • 気管支ぜん息