分散力は分子間相互作用の一つで、瞬間双極子-誘起双極子間相互作用のことである。

分散力はファンデルワールス力の一つで、誘起双極子間で引き合う力のことである。

分散力は、無極性分子(中性分子)の間ではたらく。

分散力は、ロンドン力とも呼ばれる。

分散力が生まれる原理

無極性分子には電子の偏りはないが、常に運動している電子や原子の動きによって、構造・電子雲にゆらぎが生じることがある。そのとき、瞬間的に電気双極子(瞬間双極子)が誘起される。

つまり、ある物質が電子のゆらぎによって分極し、その分極がほかの物質の分極を誘起して引き合う力が生まれる。

分散力の特徴

  • 分散力は、すべての物質にみられる
  • 分散力の強度は、水素結合の1/100と弱い
  • ポテンシャルエネルギーはr6に反比例する
  • 大きい分子ほど分散力は大きくなる

分散力は大きい分子ほど大きくなる

分子が大きいほど、電子雲が広がって変形しやすく、瞬間双極子が生じやすくなり、分散力が大きくなる。