ドパミンシステムスタビライザー(DSS)とは、ドパミン受容体部分作動薬を指す呼び名のことである。ドパミンシステムスタビライザー(DSS)は、分類としては、「非定型抗精神病薬(第3世代抗精神病薬)」の1つである。

このドパミンシステムスタビライザー(DDS)にあてはまる薬は、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)のみである(2016年3月現在)。この薬は、ドパミンD2受容体部分作動薬である。

アリピプラゾール(商品名 : エビリファイ)の適応としては、主に統合失調症がある。

ドパミンシステムスタビライザー(DSS)の意味

ドパミンシステムスタビライザー(DSS)は、英語で、
dopamine system stabilizer
である。

「stabilize : 安定させる、一定に保つ」という意味であるため、
「stabilizer : 安定させるもの、安定剤」という意味になる。

そのためドパミンシステムスタビライザー(DSS)は、「ドパミンシステムを安定させるもの」となる。

ドパミンシステムについて

ドパミンとは中枢神経系(脳)に存在する神経伝達物質であり、ドパミンを神経伝達物質とする神経系をドパミン神経系という。ドパミンの量がうまく調節されることで、脳の活動は正常に行われている。

ドパミンシステムとはこのドパミン神経系のことであるが、ドパミンシステムが正常でなくなる病気がある。その1つが統合失調症である。

統合失調症はドパミン量が過剰

統合失調症ではドパミン量の調整が正しく行われず、ドパミンが過剰の状態である(ドパミンが不足しているのはパーキンソン病)。ドパミン量を下げて、適切な範囲に調節する必要がある。

統合失調症の治療薬として開発されたのが、ドパミンシステムスタビライザー(DSS)に区分されるアリピプラゾール(商品名 : エビリファイ)である。