EBMの歴史
1991年、Gordon Guyatt博士が「Evidence-based Medicine」(ACP journal Club. 1991;114:A-16)というタイトルで、臨床疫学を臨床現場に活用する要領を紹介した。それから、EBM(Evidence-based Medicine)は医療界に浸透した。
背景
1970年代後半、カナダのMcmaster大学にいた臨床疫学者David SaCKettらが、
「臨床雑誌をどのように読むべきか」
について、臨床医に役立つような論文シリーズを計画した。
その論文シリーズが、1981年から「Canadian Medical Association Journal」に連載された。
それでは、次のことが提唱された。
- エビデンスについての基本的なルールを応用することを、「批判的吟味(critical appraISAl)」と呼ぶ
- さらに、「批判的吟味をベッドサイドに持ち込むこと(bringing critical appraisal to the bedside)」と呼ぶ
1990年、McMaster大学の教授Gordon Guyattが、この新しいスタイルの医療を実践できる医師を訓練するプログラム、レジデント向けのパンフレットで初めて「Evidence-based Medicine」という用語を使った。
翌年1991年、Gordon Guyatt博士が「Evidence-based Medicine」(ACP journal Club. 1991;114:A-16)というタイトルで、臨床疫学を臨床現場に活用する要領を紹介した。それから、EBM(Evidence-based Medicine)は医療界に浸透した。
パンフレットの内容
EBMという用語が初めて使われたパンフレットの内容は以下である。
レジデントは日々の患者の診療において、診断治療および予後判定の技術の効用に対して、「開かれた懐疑主義」の態度を養うように教育を受ける。
このようなアプローチを「Evidence-based Medicine」と呼ぶ。これは、「臨床疫学」の本の中で述べられた原則にのっとっている。
目標は次のことを知ることにある。
- 自分の診療によって立つところのエビデンス
- そのエビデンスの強さ
- そのエビデンスが許す推量の強さ
その目標を達成するための方策は、次が挙げられる。
- 重要な臨床疑問を明確化する
- 臨床疑問に関連した文献を徹底的に検索する
- エビデンスとその臨床状況への適用可能性を批判的に吟味する
- 臨床上の問題に対して得られた結論を適切に適応する
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