全身麻酔薬
全身麻酔薬は、次の2つに大別される。
- 吸入麻酔薬
- 静脈麻酔薬
全身麻酔に必要な作用
全身麻酔のために、全身麻酔薬には次の3つの作用が必要である。
- 鎮痛作用
- 麻酔作用
- 筋弛緩作用
※筋肉を弛緩させるためには、脊髄の抑制が必要である。
中枢抑制が現れる順序
全身麻酔で中枢抑制が現れる順は次のようになっている。
- 大脳皮質
- 間脳
- 中脳
- 橋
- 脊髄
- 延髄
順番の基本的なイメージは、「上から下」
中枢神経は体の上から順に次のようになっている。
- 大脳(大脳皮質)
- 間脳(視床、視床下部)
- 脳幹(上から中脳、橋、延髄)
- 脊髄
このように、中枢神経の上から下へと順に中枢抑制が現れる。
ここで注意すべきは、延髄の下が脊髄であるのに、脊髄→延髄の順に中枢抑制が現れるようにする点である。延髄を最後に抑制するのは大切である。
延髄を最後に抑制する理由
延髄を抑制すると中毒がおこる。そのため、延髄を最後に抑制する。
全身麻酔薬が不規則的下行性麻痺をおこす理由
全身麻酔薬は、不規則的下行性麻痺をおこす。規則的に麻痺をおこすと良くない理由があるからである。
規則的に麻痺がおこった場合、延髄→脊髄の順で抑制されてしまう。
上でも述べたが、延髄を抑制すると中毒がおこるため、延髄は最後に抑制すべきである。規則的に麻痺がおこると先に延髄を抑制してしまうため、規則的な麻痺は都合が悪い。
そのため、全身麻酔に用いる全身麻酔薬は、不規則的下行性麻痺をおこすようになっている。
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