レセルピン
レセルピンはノルアドレナリン枯渇薬であり、ノルアドレナリンを枯渇させて降圧作用や鎮静作用を示す。
レセルピンはインド蛇木根の主なアルカロイドである。
レセルピン
出典:「アポプロン錠0.25mg/アポプロン散0.1%」添付文書
目次 (項目へとびます)
作用機序:小胞モノアミントランスポーター阻害 → NAd枯渇
レセルピンは小胞モノアミントランスポーターを阻害することで
- ノルアドレナリン(NAd)
- アドレナリン
- ドバミン
- セロトニン
といった、中枢神経、自律神経、副腎などの神経伝達物質を枯渇させる。
小胞モノアミントランスポーターとは?
小胞モノアミントランスポーターとは、神経終末でノルアドレナリンをシナプス小胞(アミン顆粒)に取り込む輸送体である。
ノルアドレナリンなどの神経伝達物質は、小胞モノアミントランスポーターにより小胞体に取り込まれる。
そのノルアドレナリンが入ったシナプス小胞(アミン顆粒)ごと神経終末から細胞間のシナプスに放出され、ノルアドレナリンが放出(遊離)される。
(このような分泌の形式をエキソサイトーシスという)
レセルピンは小胞モノアミントランスポーターを阻害して、ノルアドレナリンがシナプス小胞(アミン顆粒)に取り込まれるのを阻害する。
こうしてレセルピンは小胞体内のノルアドレナリンを枯渇させる。
ノルアドレナリン・ドパミンの代謝
シナプス小胞(アミン顆粒)への取り込みが阻害されたノルアドレナリンやドパミンは、モノアミンオキシダーゼ(MAO)によって代謝される。
降圧作用、鎮静作用を示す
レセルピンは中枢神経系、末梢アドレナリン作動性神経、副腎髄質などのノルアドレナリンを徐々に減少させて枯渇させる。
そのため、降圧作用、鎮静作用を示す
適応
- 本態性高血圧症
- 腎性高血圧症
- 悪性高血圧症
副作用
レセルピンは以下のような副作用を示す。
脳内カテコールアミン枯渇によって、
- 錐体外路障害
- 抑うつ
といった副作用が起きる。
また、交感神経末端のノルアドレナリンが枯渇することで相対的に副交感神経が優位になり、
- 下痢
- 消化性潰瘍
- 徐脈
などの副作用が起きる。
医療用医薬品
- アポプロン錠0.25mg/アポプロン散0.1%
- アポプロン注0.3mg/アポプロン注0.5mg/アポプロン注1mg
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