薬の腎排泄機構
糸球体ろ過
糸球体ろ過:腎臓で、加圧ろ過により糸球体から排泄されること
糸球体ろ過とは、血漿中に含まれる各種成分や薬物が、糸球体毛細血管内からボーマン嚢内へとこし出されていくことである。
糸球体ろ過は加圧ろ過であり、毛細血管内圧がボーマン嚢内圧よりも高いために起こる。
大きな分子は糸球体ろ過されない
分子量の大きな物質では、糸球体ろ過が制限され、糸球体ろ過されないことがある。
糸球体毛細血管内からボーマン嚢内へとこし出されて、ろ過されるわけである。大きな分子だと毛細血管から出にくいというのは想像できる。
糸球体ろ過されないことがあるものとして、次のようなものがある。
- 血清アルブミン
- 血清アルブミンと結合した薬物
- タンパク質性薬物 など
アニオン性薬物は糸球体ろ過されにくい
アニオン性薬物は、カチオン性薬物より糸球体ろ過されにくい。つまり、カチオン性薬物のほうが糸球体ろ過されやすい。
これは、糸球体の上皮細胞表面、基底膜がマイナスに荷電しているからである。イメージとしては、「マイナス同士はじかれる」である。
次のように、
- 糸球体の上皮細胞表面には、酸性糖タンパク質(シアル酸などからなる)がある
- 基底膜には、ヘパラン硫酸プリテオグリカンがある
このため、糸球体の上皮細胞表面、基底膜が陰性に荷電している。
このように陰性に荷電しているため、アニオン性薬物ははじかれやすく、糸球体ろ過されにくい。
尿細管再吸収
薬物の尿細管再吸収は、いったん糸球体ろ過して尿細管に入ったものを、再び吸収することである。
次のような尿細管再吸収の形式がある
- 受動的な単純拡散
- トランスポーター(輸送担体)を介して
- エンドサイトーシス機構
尿細管分泌
尿細管分泌とは、薬物を血液側から尿細管腔内へ出すことである。
尿細管分泌は経細胞輸送過程であり、尿細管の上皮細胞を介したものである。
また、薬物の尿細管分泌には、様々なトランスポーター(輸送担体)がかかわっている。
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