薬物の乳汁中への移行
薬物の乳汁中への移行は、pH分配仮説に従う。
ふつう、薬物は単純拡散によって体内で移行する。そのため、乳汁中への移行はpH分配仮説に従う。
乳汁中へ移行しやすい薬物の特徴
乳汁中へ移行しやすい薬物の特徴として、次が挙げられる。
- 脂溶性が高い
- 分子形
脂溶性が高い薬物ほど、乳汁中へ移行しやすい。
イオン形よりも、分子形のほうが乳汁中へ移行しやすい。そのため、ほとんどがイオン形である四級アンモニウム化合物などは乳汁中へ移行しにくい。
乳汁中へ移行しにくい薬物の特徴
乳汁中へ移行しにくい薬物の特徴として、次が挙げられる。
- 血漿タンパク結合率が高い
乳汁中に移行しやすい薬物は、血漿中のタンパクと結合していない薬物(タンパク非結合形薬物)である。
そのため、血漿タンパク結合率の高い薬物ほど乳汁中へ移行しにくい。
関連:酸性薬物より塩基性薬物の方が乳汁中で濃縮されやすい理由
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