酸性薬物より、塩基性薬物のほうが乳汁中で濃縮されやすい。これはなぜか?

まず、乳汁中のpHと、血漿中のpHを確かめておく必要がある。

  • 乳汁中のpH 約6.6~6.8
  • 血漿中のpH 約7.4

それぞれのpHはこのようになっている。

塩基性薬物は、乳汁中では血中よりもpHが下がるため、イオン形が増える(分子形分率が下がる)。そうなると、塩基性薬物は血管側へ移行しにくくなる

そのため、酸性薬物より、塩基性薬物のほうが乳汁中で濃縮されやすい。

まとめ
塩基性薬物は、
乳汁中で分子形分率が下がる(分子形が少なくなり、イオン形が増える)
→ 血管側へ塩基性薬物が移行しにくくなる
→ 乳汁中で濃縮されやすい

関連:薬物の乳汁中への移行