放出制御型製剤
目次 (項目へとびます)
分類
シングルユニットタイプ
シングルユニットタイプには、次のようなものがある。
- スパンタブ(多層錠)
- グラデュメット
- レジネート
- ワックスマトリックス
- レペタブ(複効錠)
- ロンタブ(有核錠)
スパンタブ(多層錠)
スパンタブ型製剤は、速放層や徐放層の部分に分けて、2層または3層に打錠したものである。
スパンタブ:速放層+徐放層
グラデュメット
グラデュメット型製剤は、多孔性プラスチックの格子間隙に薬物を満たしたものである。
例)フェロ・グラデュメッド錠(硫酸鉄水和物)
レジネート
レジネート型製剤は、イオン交換樹脂に薬物を吸着させたものである。
ワックスマトリックス
ワックスマトリックス型製剤は、薬物を脂肪やロウに溶解または懸濁し、ワックスマトリックス中に分散させた製剤である。
例)ヘルベッサー錠(ジルチアゼム塩酸塩)など
レペタブ(複効錠)
レベタブ型製剤は、外層を速放性に、内層(核錠)をコーティングした徐放性部にしたものである。
外層:速放性
内層:コーティングした徐放性部
ロンタブ(有核錠)
ロンタブ型製剤は、外層を速放性に、内層(核錠)を徐放性にした有核錠である。
外層:速放性
内層:徐放性
レペタブでは徐放性の部分がコーティングされているが、ロンタブでは徐放性部がコーティングされていない。
例)アダラートCR徐放錠(ニフェジピン徐放錠)
マルチプルユニットタイプ
スパスタブ
スパスタブ型製剤は、速放性顆粒と徐放性顆粒または腸溶性顆粒の混合物を打錠したものである。
スパスタブ:速放性顆粒+徐放性顆粒(腸溶性顆粒)を打錠したもの
- 例
- テオドール錠、テオロング錠(テオフィリン)
- フランドル錠(硝酸イソソルビド) など
スパンスル
スパンスルはスパスタブと同じように、放出性の異なる顆粒をカプセルに充填したものである。
顆粒型製剤
顆粒型製剤は、胃溶性顆粒と腸溶性顆粒を混合したものである。
その他
コンチンシステム
コンチンシステムは、高級アルコールでコーティングし、圧縮成形したものである。
オロス
オロスは、浸透圧を利用した放出製剤である。
時限放出型製剤
時限放出型製剤は、服用後一定の時間が経過したあとに速やかに薬物を放出する製剤である。
OCAS
OCASは、経口投与するとゲル層を形成し、多量の水分を保持することで持続的に吸収される製剤である。
OCASはポリエチレンオキシドとポリエチレングリコールを含有するため、経口投与すると消化管上部で速やかに水分を取り込み、ゲル層を形成する。多量の水分を保持するため、持続的に吸収される。
スポンサーリンク