全身性エリテマトーデス(SLE)は、自分のDNAやヒストンに対する自己抗体を産生してしまう疾患である。つまり、SLEは自己免疫疾患である。

自分のDNAに対する自己抗体を抗DNA抗体、自分のヒストンに対する自己抗体を抗ヒストン抗体という。

  • 抗核抗体
    • 抗DNA抗体:自分のDNAに対する抗体
    • 抗ヒストン抗体:自分のヒストンに対する抗体

SLEでは、抗DNA抗体・抗ヒストン抗体といった抗核抗体が陽性を示す

目次 (項目へとびます)

機序

SLEでは、抗DNA抗体が産生される。この抗DNA抗体はDNAと結合し、免疫複合体を形成する。この免疫複合体は全身の組織に沈着し、全身性の炎症を起こす。

そのため、SLEはⅢ型アレルギー性疾患である。

  • 抗DNA抗体がDNAと結合
    → 免疫複合体形成
    → この免疫複合体が全身の組織に沈着
    → 全身性の炎症

特徴

SLEは若年から中年に好発し、発症は女性に多い。

発症は主にⅢ型アレルギー機序が関与しする、臓器非特異的な自己免疫疾患である。

症状

  • 蝶形紅斑:発症頻度高い
  • レイノー症状:指先の血管が発作的に収縮することで、指先の色が正常→白→紫→赤→正常と変化

検査

自己抗体陽性:抗核抗体陽性

  • 抗二本鎖(ds)DNA抗体
  • 抗Sm抗体
  • 抗ヒストン抗体

治療

  • ステロイド
    • プレドニゾロン:第一選択
      (全身性血管炎、糸球体腎炎、溶血性貧血等の重症合併症にはパルス療法)
  • 免疫抑制薬:ステロイドに抵抗性がある場合や、合併症・副作用等でステロイドが使えない時に投与する
    • アザチオプリン
    • シクロホスファミド
    • ミゾリビン