疎水性相互作用(疎水結合)
疎水性相互作用(疎水結合)とは、極性溶媒(水など)中の疎水性物質(炭化水素など)といった非極性物質が集合することである。
注意する点は、非極性の疎水性物質同士が引き合って生まれる相互作用ではないということである。例えば、水分子が網目状に水素結合をつくった結果、疎水性物質が集合するということである。
イメージとしては、水と油を混ぜても混ざらず、お互い水は水でかたまって、油は油でかたまるのを想像すればよい。
疎水性相互作用が起きるしくみ
疎水性相互作用は、水分子の自由エネルギーの増加によって起きる。つまり、エントロピーの増大が原動力となって起こる。
疎水性相互作用は、エントロピーが関わることが重要である。
水中の炭化水素の集合現象
水中の炭化水素の集合は、水分子の水素結合網が再びできること(再編成)によって起きる。
水素結合網が再びできるというのは、つまり疎水性分子表面の水和水を排除することでもある。疎水性分子表面の水和水が排除されると、その水分子は自由になり、エントロピーは増大する。
そのため、エントロピーの増大が原動力となって水中の炭化水素は集合する。
(水素結合の再編成=疎水性分子表面の水和水排除効果=エントロピーの増大効果)
(説明は不正確かもしれません)
疎水性相互作用の具体例
- 界面活性剤のミセルの形成
- 薬物のタンパク結合
- タンパク質の高次構造の安定化の寄与
タンパク質の高次構造の安定化
酵素など、タンパク質の高次構造の安定化には、疎水性相互作用が関わっている。
極性の低いアミノ酸は、疎水性相互作用によって水から逃れるようにタンパク質内部に集合しやすい。
- 極性の低いアミノ酸
- アラニン
- バリン
- ロイシン など
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